推進工法を設計する上での落とし穴?①
今回は、推進工法を選定するときのちょっとした話をしたいと思います。
ご存じの方も多いと思いますが、推進工法って滅茶苦茶たくさんの工法があっていったい何を基準に選べばいいのか?工法による違いは何?てか全部変わらないんじゃないの?と工法の種類の様に捉え方も違います。
そもそも推進工法はまず、大きく2種類に分かれます
・中大口径推進工法 → φ800㎜~φ3000㎜(人が中に入って作業する)
※昨今ではφ3000㎜をこえる超大口径推進工も出てきました。
↑↑↑今回はここ!!!
・小口径推進工法 → φ200㎜~φ700㎜(人が中に入らないで作業する)
まあ、ここは必要流量が決まっているのでサクッと進むでしょう。
計画上φ800㎜以上が必要となればまだ楽です。
中大口径推進工法から選定すればいいのですから・・・それでもこれがまた悩ましい。
一概に中大口径推進といってもここでまた種類が分かれます。しかも4種類(正確には5種類)
それが、、、
・刃口式推進工法 (管の中で人力で掘削します。生きた心地しません。)

・泥水式推進工法 (考え方が一番しっかりしている※あくまで個人的見解)

・泥濃式推進工法 (比較的オールマイティーな工法)→近年、施工が多い

・土圧式推推進工法(土圧式と泥土圧式に分かれる。一番シンプルな工法)

とちゃんと区別され条件によりこの中から選定すればいいじゃん!と思います・・・が!!!!!(※刃口推進工法はちょっと除外します。人力なんで)
実は・・・どの工法もさほど変わらない・・・
(各工法により多少の得手不得手はありますが)
例えば、泥水式で設計し発注されても土圧式でも泥濃式でも施工は十分可能なのです。何なら土圧式のほうが、泥濃式のほうがいい場合も多々あります。
しかし、例えば岩盤や砂層の場合は泥水式、ローム層で距離が短く場所も狭いから土圧式、なんかややこしい土質で急曲線もあるから泥濃式といった一般的な考え方がありますが、どれをどれでやっても施工的には全く変わりません。
もともとは各工法で特徴がしっかりしており10年程度前であればその考え方でよかったのです。
では、なぜこのような事になったのか?
それは・・・やはり”技術革新”です。
<材料(添加材、作泥材、滑剤)の品質の向上>
<機械性能の向上>
これらの飛躍的な進歩により不可能が可能になり、今まであった区切りの線がなくなりました。
という事は、、、、何を基に設計をすればよいのか?やはり積算基準?
推進工法ではたくさんの工法協会がありますので各協会からのヒアリング?

上図の様にこれだけ協会にいちいちヒアリングはつらい、、、ので
今は、JSTT(一般社団法人 日本非開削技術協会)が現場条件から適応する工法を選んでくれる工法ナビシステム (kouhounavi.com)があるので便利です。
これを使い最終的には経済比較をし設計→発注となるのが妥当でしょう。
しかし、設計される方にお聞きしたいですが、最適だと判断した設計が実際の工事では設計変更や施工承諾で工法を変えられたことありませんか?
何のために苦労して比較し、工法協会へのヒアリングもし、見解書、検討書、使用するマシンの稼働状況の確認、完璧に作ったのにあっさりと変更もしくは施工承諾・・・切ないですよね。
これですね、いつも設計書、図面、数量計算、発注後には土質資料を見て、なんで泥濃式で設計したんだろ、なんで泥水式?なんてことは多々あります。
もともと施工会社に所属し、協会での積算業務も行っていた経験から言えることは、『最新の情報を知らない』、『相談する協会に丸め込まれている』ことかなと、特に『最新の情報』は非常に重要です。
正直、工法変更の資料を作る際に、経済比較をしたらあれ?これちゃんと比較してる?いつの情報?なんてことはザラにあります。
それがわかるのはやはり”現場”しかないです。かといって毎回現場で確認する時間もないし都合よく情報を得られることも少ないです、そんな時は日本プロジェクトリサーチの講演(ちょっと高いですけど)などは非常に役に立つかと思います。私も何回か登壇させてもらいましたが、こぞって最新技術や施工実態を経過、実証とともに発表する各工法協会からすると威信をかけた戦いになっています。
全く出し惜しみせずに発表しますので、そこで今までの常識が変わることもあります。
やはり大事なのは現場の動向。
信頼できる施工業者との付き合いがより良い設計につながるのだと思います。
より良い設計であれば、施工側の苦労がちょっとずつではありますが軽減され、現場の意見がわかるからこそ変更の大切さもわかる。
話が分かる設計者であれば、現場サイドは設計者の真意をくみ取りより良い現場に仕上げる努力をする。
結局は、”現場を知る”が大切なんですね。
今回は、中大口径の推進工法でちょっと現場寄りな内容になりました。次は設計、発注者サイドからよくある悩み相談を軸に話したいと思います。
小口径推進は闇が深すぎるので、もう少し後になるかと・・・
闇の深い話は、たくさんありすぎて困ります。
営業をやっていた時にいやというほど建設業の闇を経け・・・(自粛)
次回は、中口径の続き・・にしようと思いましたがXR系の話にしようと思います。
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